《駐米大使の後、大学教授や企業役員を経験。その後、北鎌倉女子学園の理事長に》
前の理事長だった斎藤邦彦元駐米大使から後任に推薦され、2017年春に就任した。JR横須賀線の北鎌倉駅から徒歩7分。創立約80年の500人くらいの小さい私立中学高校だ。丘の上で緑に囲まれた環境で、教員と生徒の距離も近い。音楽コースもある。男子校育ちの目から見ると珠玉のような学園だ。ただ昭和的過ぎた。教育目標は「高雅な品性を涵養(かんよう)する」というもので、まさに良妻賢母の育成。制服も暗い色だし、校則は厳し過ぎる。時代の要請に合っていないと思った。
「エ」は英語だ。専属のネーティブ教員はいなかったので、米国人の若い女性教員3人を週40時間の専属教員とした。イングリッシュルームという広い部屋をつくり、放課後に彼女らが常駐し英会話、英語ゲームなど英語漬けにする環境を作った。 「カ」は鎌倉に密着だ。観光資源が豊富な古都を利用しない法はない。円覚寺管長、鶴岡八幡宮宮司の許可を得て境内で生徒がボランティアで英語ガイドを行っている。鎌倉ロータリークラブから支援も得ている。鳩サブレーの豊島屋の久保田陽彦社長に監事になってもらい、同社とのコラボも始めた。抵抗はあまりなかったが行き過ぎはあった。教職員との個別面談の際、副読本は買わずにアプリにしろ、板書や講義はせずディスカッションだけにしろ、という指示が最近出ているが、学力を伸ばすという点で大丈夫か、という指摘を受けて愕然(がくぜん)とした。一部の教員の走り過ぎを全く知らなかった。たしかに米国の学校などではディスカッションをやるが、課題図書を読んだ上での話だ。知識のない者同士が議論しても意味はない。
産経 サンケイ 新聞 ニュース 速報 政治 経済 社会 国際 スポーツ エンタメ
South Africa Latest News, South Africa Headlines
Similar News:You can also read news stories similar to this one that we have collected from other news sources.
米国に始まり米国にもどる すべり出しからきしんだオバマ政権と鳩山由紀夫政権 話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<21>《2008年5月末に駐米大使に着任した》
Read more »
スマートな薩摩っぽの父 話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<12>《父上の藤崎萬里(まさと)氏は、大使や最高裁判事も務めた。鹿児島出身ですが、なぜ外交官になったのでしょう》 父は鹿児島県指宿市の最南端の山川の出身です。生家は…
Read more »
相手のオウンゴールを生かす 話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<6>《日本は、世界情勢の激変に合わせてようやく防衛力の強化に向けて動き出した。さらに加速させる必要があるとの指摘もある》
Read more »
対外発信はまずは聞き、TPOで 話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<7>《日本は海外への情報発信が下手だ、とよく言われる。海外で情報発信に携わってきて、どう感じるか》
Read more »
震災対応で世界への感謝足りなかった 話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<9>《2011年3月11日、駐米大使在任中に東日本大震災が起きた》
Read more »
帰国子女らしさ、慶応ボーイとは程遠く 話の肖像画 元駐米日本大使・藤崎一郎<11>《生まれは神奈川県。そして幼いころ、外国暮らしをしていますね》
Read more »