自民党の石破茂新総裁が誕生し、10月1日に臨時国会で首相に選出され、石破内閣が発足した。石破氏は首相に選出される前の記者会見で、同27日投開票の衆院解散・総選挙の意向を表明。野党は、総裁選時の発言を翻し、予算委員会での十分な論戦を避けた石破氏への批判を強めている。新総裁誕生から新内閣発足への一連の動きをどう見るか。総裁選前にも話を聞いた自民党の久米晃元事務局長に再びインタビューした。(時事通信解説委員 村田純一)
今回、候補者が総裁選への準備を何もしていなかったというのは非常に問題だと思っています。もし総裁選出馬の意思があるなら、水面下でもいいからもっと前から人を集めておくとか、公約を考えておくとか準備しておくべきでした。推薦人を20人集められるかどうかばかりが焦点になってしまい、それでは、国民に訴えるべきものや熱意が伝わりません。何も準備せず、思いつきのようにやっているから、20人集められない人もいました。去年から、岸田文雄首相(当時)の続投はもう無理だと分かっていたのに、今回の立候補者9人はあまりにも準備不足。石破さんは5回目の出馬なのに、当初20人集まるかどうか分からないという局面もあり、いかがなものかと思いました。
当初は小泉進次郎さん、石破さん、高市早苗さんが先行したけど、小泉さんにとって、最初の関門は記者会見そして候補者の討論会でした。そこで経験不足などが明らかになるだろうと思っていたら、案の定で、そこから急速に支持は沈んでいきました。9人の候補が並んだ日本記者クラブの記者会見でつまずきました。論戦の受け答えで経験不足が露呈して、小泉ブームが沈んで、その代わりに石破さん、高市さんが浮上しました。 決選投票の結果は「高市さんよりは石破さんの方がマシだろう」ということでしょう。高市さんの論は、かつての「暴支膺懲」(ぼうしようちょう)政策と同じようなものです。「暴れる支那(しな)を懲らしめよ」「中国何するものぞ」という論です。日本らしさを貫き通すことは当然のことですが、しかし、ことさら過大に中国を敵視することは、今は得策ではないように思います。その通りにやっていたら、中国だけでなく、韓国、米国との関係も良くなるわけがない。威勢のいいことを言うのはいいが、戦前と今とでは明らかに国力が違います。
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