基幹システムのリプレースに失敗してしまう背景には、日本企業の組織面の問題がある。欠落してしまっている役割とは?
現在のファイナンス組織は、前例にない環境変化と不確実性の渦中で、3つのジレンマを抱えている。1つ目は、人材不足で従来業務の遂行すら難しい中で、ビジネス・パートナーとしての役割高度化にも並行して取り組まなければならないこと。2つ目は、既存事業の深化と新規事業の探索、あるいは求心力と遠心力といった背反するテーマを扱わなければならないこと。3つ目は、短期的な株主価値を求めるアクティビストと対峙する一方で、マルチ・ステークホルダー経営を推進しなければならないことである。本連載では、これらのジレンマの解消に向けて、最新のデジタル技術をどのように活用すべきかを解説する。初回となる今回は、「既存の成果を上げ続けながら改革に挑むジレンマ」をデジタルで解決する糸口について取り上げる。現在、多くの企業のファイナンス部門が、切迫した状況に置かれている。中には現状業務を継続するための工数確保すら難しくなっているケースも少なくない。背景には、労働人口の減少や団塊世代の大量退職といった人口動態の変化に加え、リモートワークなどの働き方の変化、また若年層を中心とした就業意識の変化などがある。
その一方で、ファイナンス部門は非財務情報の開示・活用やBEPS2.0をはじめとした国際課税強化など、新たなレギュレーションへの対応に迫られている。また、ファイナンスの役割を正しい記帳を中心とした伝統的なスコア・キーパーから、経営者や事業責任者に寄り添い意思決定に能動的に関与するビジネス・パートナーへと、大きく変えることが求められている。さらには近年、パンデミックや大規模災害、地域紛争など、一時的に業務中断に追い込まれるリスクが顕在化している。より柔軟かつ強靭(じん)に危機や困難から回復できる、レジリエントな(回復力がある)オペレーション・モデルを構築する必要がある。
South Africa Latest News, South Africa Headlines
Similar News:You can also read news stories similar to this one that we have collected from other news sources.
日本の高齢者は「我慢」して自宅に住んでいる 変化の兆し、なぜ?(1/2 ページ)高齢期に住み替える米国、スウェーデンと違って、日本の高齢者は我慢して住み続けてきたが……。
Read more »
売れ筋コスメの「国産回帰」が顕著に 今も韓国メークが流行っているのに、なぜ?(1/2 ページ)美容系総合ポータルサイト「cosme」を運営するアイスタイル(東京都港区)は、「上半期新作ベストコスメ」を発表した。長引く物価高を背景に、人気コスメにある変化が起こっているという。
Read more »
なぜ「自動車不正」問題は起きたのか “どうでもいい仕事”があふれる残念な現実:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)トヨタを含む自動車メーカーで起きた認証不正問題は、他業界でも起きる可能性がある。そこには日本企業の「ブルシット・ジョブ」が関係しているが、どういうことかというと……。
Read more »
なぜ、キャラクター商品は目を引くのか? 裏にある2つのマーケティング手法:グッドパッチとUXの話をしようか(1/2 ページ)日本のキャラクタービジネスが急速に進化しているのをご存じでしょうか。「キャラクター買い」をも起こすほどの影響力を持っていますが、なぜ目にとまるのでしょうか? 裏にある2つのマーケティング手法を紹介します。
Read more »
農林中金が「外国債券を“今”損切りする」理由 1.5兆円の巨額赤字を抱えてまで、なぜ?:古田拓也「今さら聞けないお金とビジネス」(1/2 ページ)農林中央金庫は、2024年度中に含み損のある外国債券を約10兆円分、売却すると明らかにした。債券を満期まで保有すれば損失は回避できるのに、なぜ今売却するのか。
Read more »
新紙幣の製造コストはいくら? 現行の紙幣に比べ約13%高い、なぜ?(1/2 ページ)約20年ぶりとなる新紙幣が7月3日に発行される。近年の物価高や偽造防止を強化する新技術が施されたことなどにより、今回は製造コストが押し上げられた。
Read more »