欧州連合(EU)の発足から30年となった。当初の理想は実現できたのか。今後の展望はあるのだろうか。
起源は51年のパリ条約と57年のローマ条約によって設立された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)と欧州経済共同体(EEC)で、フランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの6カ国が当初メンバーだった。2012年にEUはノーベル平和賞を受賞したが、その理由は「欧州連合およびその前身の諸機構が、60年以上にわたって欧州において平和、和解、民主主義、人権の向上に貢献してきた」というものだった。
もっとも、EUが実際に平和だったのは、北大西洋条約機構(NATO)が裏にあったからだ。NATOは1949年設立で、現在31カ国が加盟する。米国、カナダの北米国と欧州諸国の間で結ばれている軍事同盟だが、欧州のNATO加盟国は、EU加盟国とほぼ合致していることが見て取れるだろう。 これまでの経緯を見ると、現在、EUとNATOの両方に加盟している国は22カ国あるが、直近のフィンランドを除く21カ国が、まずNATOに加盟し、追ってEUにも加盟している。つまり安全保障的結び付きを強めたうえに、政治・経済的な結び付きを築いているということだ。ただし、2023年4月、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、EU加盟国のフィンランドは従来の中立政策も放棄しNATOに加盟した。スウェーデンも同様の道をたどるとみられる。いずれにしても、EUとNATOは政治・経済と安全保障で車の両輪のように欧州を統合していくだろう。
ウクライナは、1991年12月の旧ソ連崩壊後、旧ソ連体制から脱却するためにNATOとEUへの加盟を目指したが、ともに高いハードルがあり頓挫してきた。2019年2月、ウクライナ議会は憲法を改正し、EUとNATOへの加盟を目標として明記した。他方、EU加盟については、22年6月23日、EUはウクライナを加盟候補国とすることを決定した。こちらの方がNATO加盟より進んでいるものの、ウクライナはEUとも正式な加盟交渉中である。
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