【NQNニューヨーク=川上純平】5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX）で原油先物相場は反落した。WTI（ウエスト・テキサス・インターミディエート）で期近の8月物は前営業日の3日に比べ0.72ドル（0.9%）安の1バレル83.16ドルで取引を終えた。中東情勢を巡る軍事的緊張が緩和に向かう可能性があるとの見方から原油先物に売りが出た。もっとも、米連邦準備理事会（FRB）の利下げ観測は
相場を下支えした。
イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザの停戦交渉を再開すると決めたと伝わった。戦闘の縮小につながれば周辺地域からの原油供給が滞るとの懸念が後退するとの見方が広がった。週末を控えて持ち高調整の売りも出やすく、原油相場は下げて終えた。 原油相場は上昇する場面もあり、一時は84.52ドルと中心限月として4月中旬以来の高値を付けた。5日発表の6月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比20万6000人増とダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想（20万人増）を上回ったものの、下方修正された前月（21万8000人増）は下回った。失業率は4.0%から4.1%に上昇し、総じて労働需給が緩和する方向にあることを示した。FRBが9月に利下げに転じ、原油需要を支えるとの見方は相場を押し上げた。
ニューヨーク金先物相場は続伸した。ニューヨーク商品取引所（COMEX）で取引の中心である8月物は前営業日の3日に比べ28.3ドル（1.2%）高の1トロイオンス2397.7ドルで取引を終えた。米長期金利が低下し、金利の付かない資産である金の先物の投資妙味が増すとみた買いが入った。
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