【NQNニューヨーク=戸部実華】2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX）で原油先物相場は反落した。WTI（ウエスト・テキサス・インターミディエート）で期近の8月物は前日比0.57ドル（0.7%）安の1バレル82.81ドルで取引を終えた。原油の需給が引き締まるとみた買いが先行し、一時は84.38ドルと期近物として4月下旬以来の高値を付けた。その後は利益確定売りが広がり、下げに転じた。
イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派勢力ヒズボラとの対立が激しくなり、中東情勢の緊迫化が原油供給に影響するとの懸念が根強い。米国では4日の独立記念日前後にガソリン需要が拡大するとの観測が広がっており、需給の引き締まりを見込んだ買いも入りやすかった。
もっとも、買いは続かなかった。独立記念日にあわせて連休を取る市場関係者が多いなか「休暇前に利益確定売りが出た」（プライス・フューチャーズ・グループのフィル・フリン氏）との見方があった。カリブ海地域を襲っている勢力の強いハリケーン「ベリル」が今後メキシコ湾の生産に影響を及ぼすと警戒されていたが、2日時点では生産が集中する地域からそれるとの観測が広がったことも、売りにつながった。 ニューヨーク金先物相場は続落した。ニューヨーク商品取引所（COMEX）で取引の中心である8月物は前日比5.5ドル（0.2%）安の1トロイオンス2333.4ドルで取引を終えた。米長期金利は前日に約1カ月ぶりの高水準を付けていた。米連邦準備理事会（FRB）の利下げ時期を探るうえで週内発表される6月の米雇用統計などの経済指標を確認したい雰囲気も強く、金利の付かない資産である金の先物には持ち高調整の売りが出た。
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