高校野球秋季東北大会は、青森山田（青森）の優勝で幕を閉じた。８強に進んだ金足農（秋田）でコーチを務める高橋佑輔さん（２２）は、同校ＯＢで２０１８年夏の甲子園準優勝メンバー。現チーム主将で弟の佳佑（２
金足農が久慈（岩手）と対戦した１８日の２回戦、佑輔さんはグラウンドを見つめながら「（選手以上に）緊張しているのはこっちなんです」と話した。１８年夏の甲子園には一塁手として出場。横浜との３回戦、２点を追う８回に逆転３ランを放つなど“金農フィーバー”の中にいた。卒業後は東農大北海道に進学。今年３月に卒業し、４月からは金足農で常勤講師、また野球部のコーチとしての生活をスタートさせた。畜産、農業情報処理、栽培と環境、農業と環境、農業機械、実習などの授業で教壇に立っている。
「公立校で甲子園準優勝という経験を生かし、生徒の成長に携わりたい」という思いから教壇に立つことを志した。偶然にも母校への赴任と野球部コーチへの就任が決まり、雨の日も関係なく、毎日グラウンドでノックを打つ日々は「充実していて楽しい」。大観衆の前でプレーをした経験から、生徒に「普段通りのことを一生懸命やっていれば、絶対普段以上の力がどこかで出せる瞬間がくる。まず自分のできる最大のことをやってこい」と伝えていることを明かした。 現在の夢は「一人でも多くの生徒を甲子園という舞台に立たせたい」。東北大会は準々決勝で学法石川（福島）に１―３と惜敗。来春センバツへの出場は難しくなったが、兄弟そろっての挑戦はまだ１回残る。弟が「兄を超えるには甲子園優勝するしかない」と話すように、兄も「生徒と一緒に甲子園優勝の景色を見たい」と力を込める。紫のユニホームが再び聖地で旋風を巻き起こすまで、グラウンドに立ち続ける。
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