焦点:アフリカ石油・ガス資源、ウクライナ危機で再び脚光

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アフリカの石油・天然ガス資源は、気候変動懸念やコストがネックとなり、敬遠される存在だった。しかし欧州でロシア産からの代替需要が高まり、エネルギー業界で開発意欲が再燃しつつある。

7月22日、アフリカの石油・天然ガス資源は、気候変動懸念やコストがネックとなり、敬遠される存在だった。写真は2019年8月、ナイジェリア・ラゴスの建設中の製油施設で撮影(2022年 ロイター/Temilade Adelaja)現在は石油・ガスをほとんど産出していないアフリカ諸国のうち、ナミビア、南アフリカ、ウガンダ、ケニア、モザンビーク、タンザニアなどで今後数年間に数十億ドルの開発投資が行われる可能性がある。国際エネルギー機関(IEA)の推計によれば、2030年までにアフリカ全体でロシアから欧州へのガス輸出の5分の1程度を肩代わりできそうだ。その時点までにアフリカから欧州へのガス供給量は年間300億立方メートル増えるという。

カナダの石油探査会社エコ・アトランティック・オイル&ガスのジル・ホルツマン最高経営責任者(CEO)はロイターへの電子メールで、「世界中でロシア産石油・ガスの置き換えが求められている今、業界はアフリカが供給する豊富なエネルギー資源に注目している」と指摘。ナミビアと南アフリカの沖合油田の開発に触れた上で、「石油メジャーはより大きなポジションを構築しており、探査、開発、生産用地を競って入札している」とした。エコ・アトランティックはナミビア沖の約3万平方キロで石油掘削のライセンスを保有している。IEAのビロル事務局長は6月に行ったロイターのインタビューで、「われわれは真の世界的エネルギー危機のさなかにあり、供給が止まったロシア産の石油・ガスに代わる手段を見出す必要がある」と述べた。企業幹部などによると、アフリカで石油・ガス投資を検討している企業や国は、世界的な低炭素技術移行によって多くの化石燃料プロジェクトが採算割れとなる前に未開発の資源から利益を手に入れるため、迅速に動く必要があると分かっている。フランスの石油大手トタルエナジーズのプヤンヌCEOは1月にモザンビークの首都マプトを訪問した際、

法律事務所メイヤー・ブラウンのゴンサロ・ファルカオ氏は、数百億ドル規模の東アフリカのガスプロジェクトを引き合いに、「今、このようなプロジェクトを推進しようとする動きが盛り上がっている。プロジェクトをてこ入れするチャンスと受け止められているのは明白だ」と語った。まだ生産は始まっていないが、大手石油会社が数十年前から地理的データの調査や海洋探査を行っており、今年2月にシェルが軽質油の「有望な」油田を掘り当てた。軽質油は、供給が細っているガソリンや軽油の生産に使われる。 シェルは同社の約150年の歴史で初めて、油井を連続して掘削する「バック・トゥ・バック」を行った。1本目の油井の結果が有望だったためだが、気候変動への取り組みから、早期開発に向けた信頼できる道筋が整っており、原油価格の変動に対して弾力性と競争力を持つプロジェクトのみを推進するとしている。同社はナミビアについて、「商業的に回収可能な埋蔵量かどうかを判断する必要がある。(しかし)需要を満たすためには引き続き投資が必要だ」と説明した。データ会社IHSマークイットの予測や、天然資源コンサルタント会社ウッド・マッケンジーの推計によると、今回の発見で日量50万バレル程度の石油生産が可能になる。両社とも推計は予備的としている。(Noah Browning記者、Ron Bousso記者、Wendell Roelf記者)

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