「目標とかつくらず、今は流れに任せて。ケセラセラです」と話すエリザベス宮地（高知新聞社） 俳優、東出昌大の狩猟生活に密着したドキュメンタリー映画「ＷＩＬＬ」が２日、高知市本町４丁目の県民文化ホールで上映される。監督、撮影、編集を務めたのは香...
俳優、東出昌大の狩猟生活に密着したドキュメンタリー映画「ＷＩＬＬ」が２日、高知市本町４丁目の県民文化ホールで上映される。監督、撮影、編集を務めたのは香美市出身の映像作家・エリザベス宮地（３８）。ＰＲで帰高した宮地は「東出くんの姿や言葉を通して、生きることの意味や命との向き合い方を感じてほしい」と語った。
宮地は、土佐塾高校から電気通信大学に進学。放送研究部で映像を撮り始め、卒業後はアーティストのミュージックビデオ（ＭＶ）を主に手掛けてきた。もともとドキュメンタリー映画を撮りたいと思っており、２０１７年に撮影した女性グループ「ＢｉＳＨ（ビッシュ）」（２３年に解散）のツアーや公演の舞台裏に密着した映画が高い評価を受け、映画製作の仕事が増え始めた。 ２０年以降、コロナ禍の殺伐とした生活の中で、生や死について考えるようになったという。親交のあった登山家の服部文祥（ぶんしょう）らが行う狩猟に密着し、「山から下りてきた時の目がぎらついていて、自分の生活にないものを感じた」と宮地。猟銃を手に獲物を探して山を歩く東出昌大（映画「ＷＩＬＬ」より）
２１年１１月から１年余り、東出が拠点としている北関東の山村に足を運んだ。当時の東出はスキャンダルから逃れるように山に向かい、シカやイノシシを撃っていた。本作では、皮を剥いで肉を食べ、命と向き合い、自らを見つめ直したり、猟友会のメンバーやジビエの料理人らさまざまな人と出会い、獣害や鳥獣駆除、食肉加工の問題について考えたりする姿を映し出す。宮地は東出の冗舌な語りを「寄り添うように」聞き続け、彼の心の変化を丁寧に追った。映画のタイトル「ＷＩＬＬ」は日本語で「意志」を意味する。ＭＯＲＯＨＡの音楽と、東出と接するうちに感じた「生きようとする意志」から決めた。「（東出に限らず）職場や学校で行き詰まった時、自らの人生を見つめ直すことって多くの人にあることだと思う。広く共感してもらえる作品になったのでは」と語った。当日は午後１、４、７時からの３回。１４０分。１、２回目の終映後と、３回目の上映前に宮地の舞台あいさつがある。１５００円（当日１８００円）。２歳以下膝上無料。同ホール、ローソンチケットなどで販売。問い合わせは、同ホール（０８８・８２４・５３２１）へ。（楠瀬慶太）
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