宝塚歌劇の専科スター・凪七瑠海（なぎな・るうみ）が主演した兵庫・宝塚バウホールの雪組公演「３９ Ｓｔｅｐｓ」（脚本・演出、田渕大輔）がこのほど千秋楽を迎えた。
“サスペンスの神様”アルフレッド・ヒチコック監督が「三十九夜」（日本公開１９３６年）の邦題で映画化した、ジョン・バカンの小説「三十九階段」が原作。背中をナイフで刺された見知らぬ男（和奏樹）から突然、黒い手帳と「３９ Ｓｔｅｐｓ…」の謎のメッセージを託された主人公ハネー（凪七）が、追手から逃れつつ、事の真相に迫る。それもそのはず、バウ公演では珍しい芝居＆ショーの２本立て。月組時代の朝美絢（あさみ・じゅん＝現雪組）、暁千星（あかつき・ちせい＝現星組）が主役を入れ替わって上演した「Ａ―ＥＮ（エイエン）」（１５年）以来で、凪七も「おしゃれな構成」と喜んだ。凪七は入団２２年目のベテランだが、総合力向上のため、今後の若手の主演作でもどんどん実施してほしい構成だ。
ハネーが逃走する際、様々な七変化を試みる場面はファッションショーのように楽しく、また、舞台設定がミュージックホールとあって、生バンドをバックに芝居とショー内容も連動。スパイを扱った題材で「００７（ダブルオーセブン）」のオマージュや、実在したオランダの女性スパイのマタ・ハリにもふんした。 ５日の千秋楽で凪七は、合言葉の「ワクワク」を連発しながら「幸せを感じる心って大切だと、この公演で改めて思いました。ちょっとした幸せにも気づける心の余裕を持って生きていきたい」とスピーチし、題名に引っかけて「サンキュー！」と感謝した。
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