水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく救済を受けられなかった近畿地方の住民ら128人が、国と熊本県、原因企業のチッソ(東京都)を相手取り1人当たり450万...
水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく救済を受けられなかった近畿地方の住民ら128人が、国と熊本県、原因企業のチッソ(東京都)を相手取り1人当たり450万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(達野ゆき裁判長)は27日、国などに賠償を命じた。水俣病患者は公害健康被害補償法に基づく認定を受ければ、一定の補償が受けられる。だが国の認定基準は原則、複数の症状の組み合わせを求めるなど厳格で、未認定患者が多い。最高裁が2004年、認定基準を事実上緩和する判決を出したことをきっかけに、国は09年に特措法を施行。未認定患者向けの救済策として、感覚障害があれば一時金210万円を支給することにした。
一方、対象は①チッソ水俣工場がメチル水銀を含む排水をした水俣湾周辺に1年以上居住②排水が止まった翌年の1969年11月末までの生まれ――とし、「居住歴」と「出生時期」を限定した。一時金の申請時期も施行から3年以内に区切った。一時金などを4万8012人が申請して3万8320人に支給されたが、9692人は認められなかった。 大阪訴訟の原告は熊本、鹿児島両県出身で50〜80代の男女とその遺族。水俣湾が面する不知火(しらぬい)海の沿岸や山間部に住んでいた。128人のうち71人は対象地域外で、4人は出生時期の要件を満たさなかった。救済策を知らずに期限までに申請できなかった人もいる。いずれも幼少期、メチル水銀を蓄積した魚介類を食べて手足のしびれなどを発症したとして提訴した。
原告側は、チッソの排水で汚染された魚は水俣湾やその周辺だけでなく、不知火海全体にも広がっていたと主張。日常的に食べていれば水俣病を発症する可能性が高いと訴えていた。一方、国側は「水銀の汚染濃度は距離とともに減退する」と反論。水俣湾周辺以外の魚は水俣病を発症するほど汚染されておらず、原告らの症状は水俣病とは認められないとしていた。水俣病の公式確認(56年)から半世紀以上が経過し、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用も争点になった。【鈴木拓也】
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