警棒で殴られ、催涙ガスを浴びせられ、コンクリート製の障害物や有刺鉄線で足止めされつつ、農作物価格の引き上げを求める何千人ものインド人農民らは首都に向けて行進を続けている。だが、目に見えない障害も待ち構える。「デジタル・ブラックアウト(停電)」、つまりネット接続の遮断だ。
警棒で殴られ、催涙ガスを浴びせられ、コンクリート製の障害物や有刺鉄線で足止めされつつ、農作物価格の引き上げを求める何千人ものインド人農民らは首都に向けて行進を続けている。だが、目に見えない障害も待ち構える。ネット接続の遮断だ。写真はパンジャブ州とハリヤナ州の州境にあるシャンブーバリアで野営する農民ら。2月22日撮影(2024年 ロイター/Francis Mascarenhas)
[シャンブー(インド) 4日 トムソン・ロイター財団] - これが初めてではない。2022年、ネット遮断の回数が世界で最も多かったのはインドだ。抗議デモの主催者は、5月に予定される総選挙を前にデジタル領域での弾圧が増えることを警戒している。2月上旬、「デリー・チャロ」(デリーに行こう)と銘打った抗議行動に参加した農民らは、首都から北に約200キロメートルの地点で治安部隊に制止された。抗議参加者を押し返すため放水銃や催涙ガスが使われた。2月12日以来、ハリヤナ州当局は数日間ずつ、定期的にモバイル接続を遮断してきた。地元メディアによれば「デマと噂の拡散を防ぎ」、「扇動者、デモ参加者の集団」が膨れあがるのを防ぐのが目的だという。
この農民らは宗教的マイノリティーであるシーク教徒のパンジャブ州出身者が多く、ネット遮断により負傷者の治療や食料の調達が難しくなったと話す。抗議活動の指導者との連絡が途絶え、活動の調整も難しくなっている。「ただでさえ家から遠く離れている。通信手段を奪われれば、ますます悲惨な状態になる」とシンさんは言う。「ネット検閲の広がりと合わせて、ネット遮断という憂慮すべき傾向は、デジタル独裁主義を色濃く反映しており、選挙が近づく中でそれがますます顕著になっている」と語るのは、デジタル人権擁護団体「インターネット・フリーダム・ファウンデーション」のガヤトリ・マルホトラ氏だ。 同氏はトムソン・ロイター財団の取材に対し「こうした流れが続けば、人々の情報へのアクセスは著しく阻害され、選挙においても情報に基づいて判断することが難しくなる。集会・結社の自由、有権者としての要求を平和的に伝える自由も制限されてしまう」と語った。
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