【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比530ドル16セント安の3万8596ドル98セント(速報値)で終えた。年内の利下げに慎重な姿勢を示す米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に加え、原油高などによるインフレ懸念が意識された。午後に下落に転じた後は、幅広い銘柄に売りが出た。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4日、経済のモメンタム(勢い)が強いこ
【NQNニューヨーク=戸部実華】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比530ドル16セント安の3万8596ドル98セント(速報値)で終えた。年内の利下げに慎重な姿勢を示す米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に加え、原油高などによるインフレ懸念が意識された。午後に下落に転じた後は、幅広い銘柄に売りが出た。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4日、経済のモメンタム(勢い)が強いことを背景に「インフレの横ばい状態が続けば利下げする必要があるか疑問が生じる」との見解を示した。FRBが年内の利下げを見送る可能性が意識された。市場は年内の利下げを織り込んできただけに売りが広がり、取引終了にかけて一段安となった。5日には3月の米雇用統計の発表を控える。市場は非農業部門の雇用者数が前月比20万人増え、増加幅は2月(27万5000人)から縮小を見込んでいる。一方、失業率は3.8%と2月(3.9%)から低下が予想されている。予想を上回る雇用の強さを示せば、利下げ観測が一段と後退する。重要指標の発表を前に持ち高調整の売りも出た。
朝方は買いが先行し、ダウ平均は290ドル高を超える場面があった。4日発表の週間の米新規失業保険申請件数が22万1000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万3000件)を上回り、1月下旬以来の高水準となった。前日に昨年11月下旬以来の高水準をつけていた米長期金利の上昇が一服し、ハイテクや半導体株を中心に幅広い銘柄に見直し買いが入っていた。