「TSMC熊本進出」を台湾有事ばかりで語る人たちへ TSMC海外進出は経済合理性が主因と理解すべし

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「TSMC熊本進出」を台湾有事ばかりで語る人たちへ TSMC海外進出は経済合理性が主因と理解すべし
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TSMC(台湾積体電路製造)の熊本工場、JASM(ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング)が2月24日に開所式を行った。同社はデンソーおよびソニーセミコンダクタソリューションズを少数…

TSMC(台湾積体電路製造)の熊本工場、JASM(ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング)が2月24日に開所式を行った。同社はデンソーおよびソニーセミコンダクタソリューションズを少数出資者に迎え入れ設立された。また、2月6日には新たにトヨタ自動車も少数出資者に迎えて2027年末までの稼働を目指した第2工場を建設することが発表された。として解説した。一方で、これらのTSMC日本進出をいわゆる台湾有事と関連して解説される方も多くいる。筆者はエンジニアであり国際政治は専門ではないが、ここでは技術的な視点で台湾有事がTSMCにどのように影響するかを解説していく。TSMCはもともと海外製造拠点として、アメリカ・ワシントン州のFab(ファブ)11や中国・上海のFab10、南京のFab16などを設けていた。ただ、製造の大部分は台湾国内が占めていた。

その中で2020年5月にアメリカのアリゾナ州に政府から支援を受けることを前提に5nmノード世代の半導体工場建設を発表したことは業界でも驚きの声が多かった。トランプ政権下での2019年に通信機器大手のファーウェイなどの中国企業への輸出規制が始まったことを考えれば、米中対立が激化する中でアメリカ国内に最先端ロジック製造拠点を保有したいとのアメリカ政府の意向であることに異論はないだろう。 TSMCは台湾だけではなくニューヨーク証券取引所にも上場している民間営利企業であり、海外進出では台湾での製造コストと同レベルに負担が軽減されるよう各国政府に支援(補助金)を求めている。アメリカでの第2工場建設が遅延しているのはアメリカ政府からの支援が明確になっていないからでもある。TSMCの投資判断はあくまでも経済合理性が中心である。

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