支持率低下にあえぐ岸田政権に対する「直近の民意」の機会となった参院徳島・高知選挙区の補欠選挙が22日、投開票され、野党系無所属の元職、広田一氏（55）が、自民… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム（nikkansports.com）。
支持率低下にあえぐ岸田政権に対する「直近の民意」の機会となった参院徳島・高知選挙区の補欠選挙が22日、投開票され、野党系無所属の元職、広田一氏（55）が、自民新人の西内健氏（56）との事実上の一騎打ちを制し、国政返り咲きを果たした。広田氏は午後8時の投票締め切りと同時に当確が出る「ゼロ打ち」の圧勝。秘書に暴行した元自民党議員の辞職に伴う補選で、野党が自民党の議席を奪う形になった。
もともと自民党には逆風で、選挙戦中から苦戦が指摘されていた。応援に入った岸田文雄首相は、公明党の山口那津男代表と並んだ街頭演説まで行い、てこ入れを図ったが、結実しなかった。一方、広田氏は高知選出の衆参両院国会議員として活動した経緯から、有権者への浸透度は勝っていた。立憲民主党の幹部も連日応援に入り、岸田政権の経済政策などを批判するとともに、支持を訴えた。 補選をめぐっては、投開票日直前の首相の行動も物議を醸した。臨時国会召集日の20日、期限付きの所得税減税の検討を与党に指示。低支持率の一因になっている「増税メガネ」など増税イメージの払拭（ふっしょく）を試みたが、投票日直前の表明に、野党は「あまりにもあざとい」（立憲民主党の岡田克也幹事長）と酷評。自民党内でも「付け焼き刃過ぎる」（関係者）の声があり、ほとんど効果はなかった。選挙の責任者となった小渕優子選対委員長も、「初陣」を飾ることはできなかった。2つの補選は岸田首相の今後の政権運営に直結し、首相が狙う早期解散の可能性を占う戦いだったが、自民目標の「2勝」には届かなかった。【中山知子】
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