2つの世界大戦、9.11同時多発テロ事件、世界金融危機を乗り越え、芸能界にも多くの常連客を抱えるニューヨークの老舗店が、その歴史に幕を下ろそうとしている →米国最古のチーズ専門店が閉店へ、コロナ禍で家賃払えず130年の歴史に幕
ニューヨーク・マンハッタンのリトル・イタリーで開かれたサン・ジェナーロ祭で、老舗チーズ専門店アレバ・デイリーの屋台を訪れた俳優トニー・ダンザ(中央)と経営者のチャチャ、カレン・キング夫妻。(Getty Images)(アレバ・デイリー)はマンハッタンで最も古く、全米でも最古とされるチーズ専門店だが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響と約8000万円の家賃請求には勝てなかった。
マンハッタンの小売市場には寒風が吹きすさび、空き店舗がなかなか埋まらない状況だ。有名なリトル・イタリー地区のマルベリー・ストリートとグランド・ストリートの角に130年前から店を構えるアレバ・デイリーは、新型コロナ危機で経営難に陥った。残された営業日は、1カ月を切っている。 現オーナーのカレン・キングは10年前、夫チャチャとその友人の俳優トニー・ダンザと共同でアレバ・デイリーを買収。夫は2015年に亡くなったが、キングは経営を続けると決断した。だが、パンデミックが起きると観光客相手が中心のリトル・イタリーの店は次々と休業に追い込まれ、負債がかさむようになった。アレバ・デイリーは新鮮なチーズとサンドイッチが地元で人気の店だ。商売は少しずつ日常に戻りつつあったが、店舗賃料の支払いが2年遅れており、破産を申請した。
裁判所記録によると、賃料は月2万3756ドル(約310万円)。パンデミックが始まってから滞納を重ねた家賃は62万8000ドル(約8250万円)近くに上り、連邦破産法第11条の適用を受けた後、家主との長引く法廷闘争が繰り広げられた。リトル・イタリーは歴史的にイタリア人が多く住む地区で、キャナル・ストリートからヒューストン・ストリートにかけて、ラファイエット・ストリートとバワリー地区の間に広がる。1880年代にナポリやシチリアからの移民が大勢集まってできた街だ。現在はマルベリー・ストリートを中心に、流行最先端のアパレルショップやニューヨークで最もホットなバーが軒を連ねている。マンハッタンの小売市場は2022年第4四半期も成長基調を維持したが、伸びはほんのわずかだった。事業用不動産サービスのCBREの報告書によれば、マンハッタンのショッピング街16カ所で、1階の小売空き店舗数は6四半期連続で減少したものの、前四半期の229店から222店に減ったにすぎない。 一方、賃料も小幅ながら上昇。第4四半期の平均募集賃料は1平方フィート(約0.028坪)当たり615ドル(約8万円)で、第3四半期から1.
キングはアレバ・デイリーについて「胸が張り裂けそうだ。心が折れそうだが、私は闘う」と報道機関に語っている。ニューヨークの老舗が閉店間近だとのニュースが広く報じられれば、店を救う道が開けるかもしれないとして、希望を捨てていない。130年の伝統を守りながら、別の場所で店を再開したいとしている。
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