生産終了『キューブ』のコンセプトカーを東京オートサロンに展示した理由…日産が目論む新ビジネスとは 日産 キューブ 東京オートサロン
ナンバープレートには「キューブ・リフレッシュ&レトロコンセプト」と書かれている。コンセプトカーにしては生産終了車なのだが、話によれば一種の旧車再生プロジェクトだそうで、正式な名前ではないが社内では「中古車魅力向上プロジェクト」と呼ばれるプロジェクトなのだとか。つまりユーザーに手持ちのキューブをリフレッシュさせて、気持ちよく乗ってもらおうというわけである。そしてディスプレイされたモデルはかなり内装を中心としたカスタマイズが施されていた。
話を聞くと、そもそも「リフレッシュというニーズはあるだろう」と予想された。しかしながらリフレッシュという言葉は分かりづらい。そこで行き着いたのがカスタマイズだったという。元々キューブは若いユーザーに人気があったクルマということで、いじり甲斐がある。それにキューブが生産を終えたのは2019年のことでまだ補修部品が残っていて、リフレッシュするにもお客様にお待ちいただく必要がないという観点からキューブが選ばれたようだ。旧車のレストアをリフレッシュという言葉に置き換えれば、例えばマツダも『ロードスター』などを中心にして古い車を復活させるプロジェクトが始まっている。そうした点でいえば日産の場合、例えば『フェアレディZ』のS30あたりから始めればよかったのではないかと思ったりもしたのだが、まずは補修部品のあるキューブで試験的に始めてみようというのが今回のプロジェクトだそうで、単なるコンセプトとしてではなく今後ビジネスに結び付けようというコンセプトなのである。
ただ、リフレッシュについてはビジネスになりうると考えているようだが、カスタマイズについては未知数と判断されていて、今回市場の反応を探るためにフルカスタマイズのモデルを展示したとのことあった。そのうえで反応が良ければ例えばパッケージ形式でカスタマイズ商品を提案したり、あるいはクラウドファンディングで顧客を集めたり、さらにはディーラーに協力をしてもらって希望を募るなどの方法を考えているという。 とにかく電気に強い日産のイメージだがキューブは「ニッサンの隠れた人気車」だそうで、「若い人になるべく安価に乗ってもらいたい。日産の中古車はまだまだ安心して乗れますよ」というところをアピールしたいとのことだった。
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