沖縄戦の影、世代を超えて―蟻塚医師がトラウマ語る

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沖縄戦の影、世代を超えて―蟻塚医師がトラウマ語る
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沖縄で医療活動を行う精神科医蟻塚亮二さんが、戦争体験によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の実態を明らかにする講演を行いました。沖縄戦を経験した人々の心の傷跡や、そのトラウマが沖縄の文化に根付いていることを指摘しつつも、トラウマに向き合うことの重要性も訴えました。

沖縄で医療活動を行う中で、戦争体験による PTSD (心的外傷後ストレス障害)を見つけた精神科医蟻塚亮二さん(77)が15日、「世代を超えて伝わる トラウマ ―子や孫に見る 沖縄戦 の影」をテーマに那覇市の対馬丸記念館で講演しました。蟻塚さんは、診察してきた様々な PTSD 事例を紹介しました。 沖縄戦 を経験した女性は、背負っていた妹を撃たれて亡くましたが、ウクライナの戦争報道を見て嘔吐や下痢などの症状が出たという話です。戦争や天災、虐待、性的被害に遭うと、傷つくのを避けるために、諦めたり、人と関わることをためらったりする。蟻塚さんは、このような トラウマ が「沖縄の文化になっている」と指摘しました。一方で、「 トラウマ に向き合うことで文化が成長し、社会の共有財産になる」とし、 沖縄戦 を勉強する人の多さや性暴力に対する怒りの表明を挙げました。講演後の質疑応答では会場から「おばあちゃんに 沖縄戦 の体験を聞いて『4月になると眠れなくなる』と明かされた。私にできることはないか」という質問がありました。蟻塚さんは「そう簡単にできない。そうやって話を聴いてあげることが最高の対処」とした上で、おばあちゃんが持っている回復の力を信じようと励ました。(宮沢之祐.

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