病気にかかるリスクが高い出生体重１５００グラム未満の赤ちゃんに寄付された母乳（ドナーミルク）を提供する施設「日本橋母乳バンク」（東京都中央区）がリニューアルし、...
病気にかかるリスクが高い出生体重１５００グラム未満の赤ちゃんに寄付された母乳（ドナーミルク）を提供する施設「日本橋母乳バンク」（東京都中央区）がリニューアルし、母乳の提供能力を従来の約３倍に増強した。令和２年の開設以降、利用する赤ちゃんの数は増え続け、昨年度に初めて年間１０００人を超えた。関係者は「ドナーミルクを与えることで助かる命が増える」と、安定的な供給につなげたい考えだ。日本橋母乳バンクは、一般社団法人「日本母乳バンク協会」が運営。今回、母乳の処置室を約２倍の３７平方メートルに拡大し、クラウドファンディングで集まった支援金を使い、最新式の約２４００万円の低温殺菌処理器を導入した。処理能力の増強で、年間２０００〜２５００人分の母乳を提供できるようになった。
母乳バンクでは、提供された母乳を低温殺菌処理して冷凍保管し、医師からの要請に応じて病院に届ける。早産などにより出生時の体重が１５００グラム未満の「極低出生体重児」の新生児や、心臓や腸に病気があり手術を必要とする赤ちゃんが対象で無償提供される。 国内の母乳バンク３カ所のうち、母乳を殺菌処理し、管理できる機能を持つのは、この施設と一般財団法人「日本財団母乳バンク」が運営する施設の２カ所だった。いずれも都内に拠点があるため、災害時に供給が途絶える可能性を危惧し、令和５年に初めて愛知県豊明市にある藤田医科大学病院にも設置された。日本母乳バンク協会によると、早産児は母胎で育つ途上のため臓器が未発達で、腸の一部が壊死する「壊死性腸炎」などの病気にかかるリスクがある。「感染症や病気のリスクを減らす効果が母乳に期待できる」と話すのは、母乳バンクの第一人者で同協会代表理事の昭和大医学部の水野克己教授だ。母乳は栄養バランスが良く消化管を成熟させる効果があるとされ、人工ミルクを使用した場合に比べ、壊死性腸炎の発症リスクを３分の１に低下できるという。神奈川県在住でウェブデザイナーの女性（４１）は、令和４年に約３カ月の早産で身長約３０センチ、体重６７８グラムの長男を帝王切開で出産した。最初は母乳をあげていたが、１週間くらいたつと飲む量が増えるのに対して、母乳が足りなくなった。医師の勧めもあり「自分の母乳ではない」との葛藤を抱えながらもドナーミルクの使
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