滋賀県が地盤のスーパー大手、平和堂は4日、2025年2月期から3年間の第5次中期経営計画（中計）を発表した。同社が中計の内容を公表するのは初めて。30年時点で連結ベースの自己資本利益率（ROE）8%など6項目の定量目標の実現に向けた基盤固めを狙う。大阪取引所で記者会見した平松正嗣社長は「東証が促すPBR（株価純資産倍率）1倍以上を強く意識した」と認め、投資家や市場を一段と重視する姿勢を鮮明にした
は4日、2025年2月期から3年間の第5次中期経営計画（中計）を発表した。同社が中計の内容を公表するのは初めて。30年時点で連結ベースの自己資本利益率（ROE）8%など6項目の定量目標の実現に向けた基盤固めを狙う。大阪取引所で記者会見した平松正嗣社長は「東証が促すPBR（株価純資産倍率）1倍以上を強く意識した」と認め、投資家や市場を一段と重視する姿勢を鮮明にした。
平松氏は中計公開に踏み切った理由を「単年度の計画を示すだけでは、平和堂がどこに向かうのか市場から見えにくかった」と説明した。「資本コストや株価を意識した経営の実現を目指す」と述べ、30年の定量目標として、連結ベースの（売上高にあたる）営業収益で5000億円以上、営業利益率は4.5%以上も盛り込んだ。24年2月期はROEが3.7%、PBRは0.58倍にとどまる。 第5次中計の3年間では①子育て世代ニーズ対応による顧客支持の獲得②ドミナント戦略をベースとした（同社独自の）HOP経済圏の拡大③生産性改善も含むコスト構造改革の推進――という3つの重点戦略を進める。子育て世代の獲得について平松氏は会見で、30〜40代の顧客を十分に確保できていない現状に危機感を表明した。この世代を巡り競合するドラッグストアなどと価格面で対抗する。
同時に公表した24年2月期連結決算は、純利益が前の期比10%減の67億円、営業収益は2%増の4254億円だった。新型コロナウイルスに関連する規制の大幅緩和で客足が伸びる一方、1月の能登半島地震による北陸の店舗の被災などで41億円の特別損失を計上し、利益を圧迫した。 25年2月期の連結予想は営業収益が前期比4%増の4440億円、純利益が34%増の91億円と増収増益。連結ベースの設備投資は前期より5%減の221億円を計画しており、建て替えを含め計5店舗を滋賀、大阪、愛知の各府県で新設する。
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