宝塚歌劇団(兵庫・宝塚市)の宙組娘役の劇団員が昨年9月に転落死した問題で、遺族側代理人弁護士が28日、都内で会見を行い、遺族と宝塚歌劇団、親会社・阪急阪神ホールディングス、阪急電鉄との間で合意書を締
結したことを発表した。
遺族側代理人の川人博弁護士は会見で、「本日午前、大阪にて合意書を締結いたしました」と報告した。この日、阪急と劇団側は、遺族側が訴えた被災者に対する14項目のパワハラについて認め、阪急阪神HDの角和夫会長が遺族に謝罪したことを説明。同弁護士は「劇団が改善すべきことは無数にある」と指摘した。 同弁護士は「当初、劇団側はパワハラについて事実無根と主張していた。その発言は、(今回の合意書により)完全に撤回した。パワハラには少なくとも、宙組の上級生幹部、演出関係者ら10名は関わっている」と指摘した。 また、遺族側代理人の井上耕史弁護士は、死去した劇団員の母親の訴えを発表。「助けられなかったことを悔い、娘に謝っています。娘の夢をみて、目覚めた時の現実のむなしさに打ちのめされる、そんな朝を何度迎えたでしょうか」と悲痛な思いがつづられ、この日の合意書締結について「言葉では言い表せないたくさんの複雑な想いがあります。娘に会いたい、生きていてほしかったです」する訴えが読み上げられた。
昨年9月の劇団員女性の死後、歌劇団が昨年11月に弁護士による調査報告書を公表し、「ハラスメントは確認できなかった」としたため遺族側は反発。歌劇団は12月に公式サイトから報告書を削除し、今年1月にはハラスメントがあったこと自体は認めたが、遺族側が公表した15項目のハラスメントのうちどの部分を認めるかについては見解を明らかにしていなかった。
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