近年、よく耳にするマルトリートメントという言葉。「虐待」「避けるべき子育て」といった意味合いで紹介されることもあるが、「何をするとマルトリートメントなのか?」「自分がやっていることはマルトリートメントなのか?」と悩んでいる人もいるだろう。マルトリートメントについて何をどう考えるべきなのか。この問題に長く携わってきた臨床心理士の武田信子さんに教えてもらった。
この条約では、子どもが権利の主体であることが明記されているほか、子どもの意見表明権が保障されている。日本がこの条約の締約国となったのは1994年のこと。締約国の政府は定期的に報告書を提出し、児童の権利委員会から審査を受け、さまざまな改善が求められる。
子どもたちの自分が生きる世界を把握するために学びたいという要望、人として成長することへのニーズよりも、大人から言われて「やらなければいけないこと」が優先される今の日本。そんな中で、子どもの不登校や自殺は増える一方だ。こうした社会を覆う空気や価値観を、武田氏は「エデュケーショナル・マルトリートメント」と表現する。 画一的な価値観の下、多くの人が「同じピラミッド」の頂点を目指している状況にあるわけだ。また現代の大人は忙しくて余裕がなく、そんな大人を前に子どもも、生きていることの価値や意味を見いだして夢を持って生きていこうと思える状況にもない。 そもそもマルトリートメントな社会の被害者は、子どもだけではない。親や教員などの大人も「こうあらねば」という圧力を受けて育った可能性が高く、自分がマルトリートメントを受けて育ってきたという認識がないことも珍しくない。そこでまずは、自分がマルトリートメントを受けてきたならば、そのことを自覚することも大切だという。「子どもの立場に立って、ハードルを上げすぎず、目標設定が適切か、どういう関わり方が適切かを考えなければなりません。子どもが大人の顔色をうかがったり、大人に何も言わなくなったら、不適切な関わりがあるということだといえます。今は、いい学校、いい教育を目指してしまう社会環境にありますが、学ぶことが嫌ではない大人に育つことを目指すので十分ではないでしょうか」また、国連の「児童の権利に関する条約」や、日本で施行された「こども基本法」を読んでみるのもお勧めだという。
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