４大世界戦の前日計量が５日、都内で行われ、メインの世界４団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥は５５・２キロで一発パス。１８年の山中慎介戦で２・３キロの上限超過した過去を持つ挑戦者の“悪童”ネリも
５４・８キロで無事に一発パスした。
不安は杞憂（きゆう）に終わった。「５４・８キロ、アンダーです」。規定より５００グラムも軽い体重が読み上げられると、ネリは何度もうなずきながらマッスルポーズだ。体重計をのぞいた関係者は一斉に拍手を送った。この日の朝の体重は５５・０キロ。リミットを下回り、Ｘで「準備は整った」と予告していた。 計量後、コーラをうまそうに喉に流し込んだ。関係者によると、メキシコの同胞アルバレスの試合を配信で見ながら、ショートケーキ２個、桃の缶詰、生クリームのどっさりのったフラペチーノを堪能したという。１８年３月の山中慎介戦で２・３キロ体重超過の失態。日本から永久資格停止を受けただけに、井上尚戦を実現するため、同じ過ちは絶対に許されない。自己管理を徹底した。３月の発表会見の際には、関係者から差し出されたクッキー一つさえも口にしなかったという。ＷＢＣから課された事前計量は全てクリアした。加えて、４、５回行われたＶＡＤＡ（ボランティア反ドーピング機構）の抜き打ち検査もすべて陰性と、１７年８月の山中戦後に発覚した禁止薬物使用疑惑を払拭した。
計量を無事に終え、自らを“解放”したネリ。ルール会議で突如、使用グラブの変更を要求した。大橋秀行会長によると「急に変えてくれと。ウイニング（日本製）の方がいいと言ってきた」という。持参したメキシコ国旗のカラーをあしらったメキシコ製は「大きくて重い」と、グラブチェックの際に手に取った井上尚使用の日本製が「見た目が小さいと感じた」との理由で、こちらがいいと希望した。１８年の山中戦前にも山中が使用するグラブをメキシコ製から日本製に変えさせたことがある。
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