ここ数年、女性向けコンテンツにおいて“和風恋愛ファンタジー”ジャンルが隆盛を誇っているのはご存知だろうか? 日本の明治や大正を思わせる時代設定、特異な能力を持つものの虐げられているヒロイン、そして男性からの溺愛。古来からの王道であるシンデレラストーリーに、それらの要素をまぶした和風恋愛ファンタジーとも言えるジャンルから、「わたしの幸せな結婚」をはじめ多くのヒット作が生まれている。
元祖“和風シンデレラストーリー”と称される、「落窪物語」をご存じだろうか。美しい容姿を持つ落窪の君が継母から虐げられるが、右近の少将に見初められて幸せを掴む……という筋書きで、平安時代に発表された作者不明の古典文学だ。同作をベースとしたマンガ作品「おちくぼ」を「なんて素敵にジャパネスク」で知られる山内直実が2014年から連載したり、田辺聖子が現代語訳した「おちくぼ姫」が2023年本屋大賞の発掘部門に選ばれたりと、1000年を経た現代でも、普遍的な魅力で支持され続けている作品である。
ブームの火付け役となったのは、間違いなく「わたしの幸せな結婚」だろう。2018年に小説家になろうで顎木あくみによる小説が発表されたのち、同年にコミカライズ連載もスタート。シリーズ累計発行部数は800万部を数える。2023年3月には目黒蓮(Snow Man)と今田美桜が出演した実写映画が公開されて興行収入28億円を記録し、7月より放送されたTVアニメもNetflixを通じて世界でヒットした。物語は異能の家系に生まれながらも能力を持たない斎森美世が家族から邪魔者扱いされ、冷酷無慈悲と噂される久堂清霞のもとへ嫁ぐことから始まる。自分は価値がない人間だと思っていた美世が久堂家で健気に振る舞い、清霞と少しずつ心を通わせていくさまは多くの読者の胸を打ち、「どうか幸せになってくれ」と祈るような感想の声が後を絶たない。
共通の要素を持つ作品が同時多発的に頭角を現し、流行の渦が作り上げられていくさまは、異世界転生ものや悪役令嬢ものがヒットしてきた流れを彷彿とさせる。多くの和風恋愛ファンタジーが「シンデレラ」と異なるのは、異能の力が作品世界で大きな意味を持ち、主人公がなんらかの能力を秘めていること。その能力が見出され、主人公が本来受けるべき正当な評価を受けて幸せを得ていくというカタルシスが、読者の心をくすぐる。
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