毎年10月初旬には、ノーベル賞各賞の受賞者が発表されます。そこで、今回のコラムは日本人とも関わりの深い「ニュートリノ」という粒子がテーマです。「えっ、ニュート…
毎年10月初旬には、ノーベル賞各賞の受賞者が発表されます。そこで、今回のコラムは日本人とも関わりの深い「ニュートリノ」という粒子がテーマです。「えっ、ニュートリノ? 聞いたことがないなぁ…」。そうお思いの方も多いでしょうが、多くの日本人がニュートリノに関わる研究でノーベル物理学賞を受賞されているのです。
小柴先生の業績のどこがすごいかというと、ニュートリノが、光(電磁波)では見えなかった星の中まで見通したということです。だから超新星爆発やそのもととなった星に関する情報が得られ、研究が大きく進展しました。 さて、私は学生時代、物理学実験で小柴先生のお世話になりました。大変厳しい先生で、いつも厳格な態度で学生に接しておられたように記憶しています。ところで学生は、実験後、リポートを小柴先生に提出しないといけません。できが悪いと突き返されます。幸い、友人が「小柴先生は今週、出張だよ」と教えてくれたことがありました。その機を逃さず、リポートを携えて小柴先生の研究室を訪ねると、若い先生が「小柴先生は出張中なので、私から先生に渡しておきます」と言ってくださり、ほっとしたことを今も覚えています。
さて、ニュートリノに関連したテーマでノーベル賞を受賞された方として、小林誠先生と益川敏英先生を忘れるわけにはいきません。お二人の業績(小林・益川理論)を説明するのは、さらに難しいのですが、ごく簡単にいうと、陽子や中性子を構成するクォークという粒子が3セット6種類あるという予言を(実験で見つかる前に)発表されたのです。クォークとニュートリノはペアをなしていて、クォークが3セットあることは、ニュートリノが3種類あることと関係します。
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