ドレッシングボトルを100%再生PETに切替 キューピーが国内初の挑戦へ
清涼飲料水では100パーセント再生PETボトルがすでに使われ始めているが、キユーピーはドレッシング全12種類のボトルを、8月上旬から順次、100パーセント再生PET樹脂に切り替えると発表した。キユーピーはこれまでにもドレッシングの容器に再生PET樹脂を30パーセント含むボトルを使用してきたが、100パーセントになったのは国内初とのこと。
サラダドレッシングなどの調味料には油や酢が含まれていたり、製造工程や賞味期限など清涼飲料水と事情が大きく異なるため、完全な再生PETボトルの使用は技術的に困難があった。調味料に再生PETボトルを使う研究は、これまでキユーピーを含む食品4社で進めてきたが、キユーピーは独自の検証を重ねて実用化に至った。 キユーピーが使用する再生PETボトルは、回収したペットボトルを粉砕し、洗浄して再びPETボトルを作るメカニカルリサイクル方式によるもの。このほかPETボトルなどのプラスチック容器のリサイクルには、薬品で溶かしてプラスチック原料に戻してから利用する「ケミカルリサイクル」と、燃やして熱として利用する「サーマルリサイクル」がある。日本ではプラスチックの分別回収は進んでいるものの、大半はサーマルリサイクルされているのが現状。PETボトルのメカニカルリサイクルは、キユーピーの場合、新規のプラスチック原料の使用を年間約460トン削減できるほか、温暖化対策にも貢献できる。
問題は、家庭で使用したドレッシングのボトルをどう回収するかだ。「それは一社でできることではなく、サプライチェーン全体で協働しながら進めていく必要がある」とキユーピー経営推進本部サステナビリティ推進部の田頭祐介氏は話す。その姿勢を示すために、まずはキユーピーグループの施設内で使用済みドレッシングボトルの回収を開始した。今後は「循環の仕組み」をキユーピーが主導して作りたいということだ。
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