中欧チェコの新しい大統領に、北大西洋条約機構(NATO)軍事委員会の議長を務めたペトル・パベル氏が選ばれた。 →ドイツが進める兵器交換と中欧・チェコの「脱ロシア」現象
中欧チェコの新しい大統領に、北大西洋条約機構(NATO)軍事委員会の議長を務めたペトル・パベル氏が選ばれた。パベル氏は「ほとんど制限なし」のウクライナ支援を強く訴え、都市部を中心に支持を集め、ウクライナ支援の停止とチェコ人の生活優先を訴えたバビシュ前首相を退けた。当選直後には台湾の蔡英文総統と電話で会談し、現職のゼマン大統領が進めた親中国路線を転換する姿勢も示した。パベル氏は、戦争が終結したのちに、ウクライナは可能な限り早くNATO加盟を許されるべきだとも主張する。
そのチェコで今、進んでいるのが、ドイツが唱える「指輪の交換(Ringtausch)」だ。チェコが保有する旧ソ連製兵器をウクライナに支援し、その代わりに、ドイツ製兵器を導入するというやり方だ。チェコ・カレル大学の細田尚志講師(安全保障学)によれば、チェコは、政府と民間会社が保有するがT72型戦車約40両をウクライナに支援する代わり、独レオパルト2A4戦車14両、バッファロー戦車回収車1両を手に入れる。すでに最初の車両が昨年12月、チェコに到着した。チェコ国防省はレオパルト2A7戦車40両の購入についてドイツと交渉している説明している。 ドイツ国防省は「指輪の交換」の狙いについて、政治的決定として戦車を直接ウクライナに供与できない状態だったドイツが、昨年の時点で間接的にウクライナに戦車を供与する手段だと説明。同時に、ウクライナ兵が使いこなせる旧ソ連製兵器を中・東欧諸国から早急に供与して、ウクライナ軍を支援したい考えも示していた。更に、細田氏は「ドイツとしては、旧ソ連・ロシア製武器システムを保有・運用する中・東欧諸国のロシア離れを進めたい側面もあるのでしょう。兵器の切り替えは、弾薬や部品補給、整備、訓練、そして、運用思想まで切り替わることを意味します。また、ドイツ国防産業の顧客を確保し、米国や韓国などとの間で激化する武器の売り込み競争を制したい狙いもあると思います」と語る。
細田氏によれば、「指輪の交換」は、他の中・東欧諸国にも広がっている。ギリシャが旧ソ連製BMP1歩兵戦闘車40両と独マルダー歩兵戦闘車40両を、スロバキアが、BMP1のチェコスロバキア・ライセンス生産版である BVP1歩兵戦闘車30両と独レオパルト2A4戦車15両を、スロベニアが旧ソ連製T55を改修したM55S戦車28両と独MAN社製15トントラック40両と給水車5両を、それぞれ交換といった具合だ。
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