トミカ8年ぶり値上げでも売上高は前年超え LINE活用が成功の鍵

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トミカ8年ぶり値上げでも売上高は前年超え LINE活用が成功の鍵
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【「トミカ」値上げしても売れた理由】 495円から550円の値上げを行ったのにもかかわらず、タカラトミー「トミカ」が売上を落とさなかったのはなぜか? 好調を維持した理由は「開封率65%」という驚きのLINE施策にありました。

タカラトミーは2022年5月末に、トミカの値上げを発表した。22年7月1日出荷分から、定番商品の希望小売価格を495円から550円(いずれも税込み)に改定し、他のラインアップについても順次改定を進めている。トミカは、身近な乗り物をモチーフにした“ワンコイン玩具”。1970年の発売からのロングセラー商品で、値上げは2014年以来、8年ぶりとなる。物価高騰で生活防衛意識が高まる中、嗜好(しこう)品である玩具のような商品は切り詰められやすい。買い控えが起きそうなものだが、値上げしたにもかかわらず、トミカブランドの22年7~10月の売り上げは前年を上回り、その後も好調を維持しているという。その裏にはどんな工夫があったのか。タカラトミーが取り組んだのは、LINE公式アカウントを活用した顧客とブランドのつながりの強化だ。この取り組みと販促キャンペーンをうまく組み合わせ、特に好調を維持するブランドがトミカだ。

LINE公式アカウントを導入したのは約1年前の21年11月。クリスマス商戦に合わせてLINE公式アカウントを開設。アカウントの登録者(友だち)数は21年末の9371から、22年12月時点では約21万8000と、約1年間で大幅に増加した。さらに、「メッセージの開封率は約65%、友だち追加後にメッセージの配信を停止する『ブロック率』も劇的に低い」と、メディア戦略室室長の木村貴幸氏は胸を張る。 もともと、タカラトミーと消費者との接点は十分確保されていた。公式Twitterのフォロワー数は約35万、メールマガジンの会員数も相当あり、ブランドのWebサイトのアクセス数も順調だった。「一般的にメルマガの開封率は15~20%といわれるが、当社のメルマガはその数倍は高かった。ただ、情報が一方通行で“顧客が見えない”という課題意識があった。LINEはデータと連係することで、旬な情報を旬なタイミングで対象者を絞って届けられるだけでなく、利用者の情報も得られる。Twitterやメルマガだけでは補えない層へのアプローチが可能になると考えた」(木村氏)

LINE公式アカウントからは、ワンタップでタカラトミーのECサイト「タカラトミーモール」に移動し、商品購入への導線が引かれている。アクセス解析のデータでECサイトの流入元を見ると、LINEはTwitterの倍以上の数値が出ているという。フォロワー数はTwitterの方が多いが、流入率はLINEの方が高い。「新たな顧客の動線がつくれたことは価値があった」と木村氏は言う。

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