日本公演を終え、ラスベガスにあるスーパーボウルの試合会場に向かっていると思われるテイラー・スウィフト。彼女が「何をするのか」（もしくはしないのか）を、スウィフティーも、陰謀論者も、スポーツファンも注視している。
この2週間ほどの間で、テイラー・スウィフトは何十回もニュース記事の見出しを飾った。そのなかで、彼女が“実際にしたこと”が発端となってニュースになったのは数度だけだ。彼女の楽曲がTikTokから削除されたことはユニバーサル ミュージック グループとTikTokの意見の相違だった。彼女の曲が大量に違法ダウンロードされたのは海賊行為だ。スウィフトのディープフェイクがつくられたのは4chanがきっかけだった。スウィフトがバイデン再選の“工作員”だという陰謀論は、右派のコメンテーターたちが生み出したものだ。 スウィフトは2月4日（米国時間）、第66回グラミー賞受賞式で、ニューアルバムの『The Tortured Poets Department』がリリースされることを発表した。この新譜についてのニュースはスウィフト自身が発信したものだ。 テイラー・スウィフトに関することは何もかもニュースになり、目が回るレベルだ。そして2月11日（米国時間。日本時間12日午前）、スウィフトは第58回スーパーボウルにおそらく行くのだろう。 とにかく大騒ぎになっている...
の日本大使館はXに「（日本からラスベガスに到着するには）12時間のフライトを経る必要があり、17時間の時差もあります。それでも、在米日本大使館はスウィフトさんがコンサート終了後の夕方に東京を出発すれば、スーパーボウル前にラスベガスに快適に到着するはずだと自信を持って言えます」と投稿。これもニュースになった。 そしていま、わたしもスウィフトについて書いている。とにかく大騒ぎになっているとしか言いようがない。ビール、ハンバーガー、そしてスーパーボウルという米国の伝統が、ポップカルチャーと政治的な話題を誘導する避雷針に変えられようとしているのだ。米国の愛国心を刺激するフットボールのエネルギーとスウィフトの“セレブリティ・フェミニズム”ブランドの衝突は、2016年、コールドプレイとビヨンセが登場したハーフタイムショーがゲイのアジェンダを推進していると非難されたとき以来見られなかった“文化の合流”を生み出していると言える。ただし今回の場合、スウィフトはパフォーマンスさえしない。...
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