キリンホールディングス（HD）が14日、9年ぶりの社長交代を発表した。3月28日付で南方健志取締役常務執行役員（62）が社長最高執行責任者（COO）に昇格し、磯崎功典社長（70）は代表権のある会長最高経営責任者（CEO）に就く。南方氏は記者会見で「ヘルスサイエンス事業の成長に強い使命感を抱いている」と抱負を述べた。「大変重いバトンを受け取った。覚悟を決めて全力を尽くしていきたい」。14日夕に都
（HD）が14日、9年ぶりの社長交代を発表した。3月28日付で南方健志取締役常務執行役員（62）が社長最高執行責任者（COO）に昇格し、磯崎功典社長（70）は代表権のある会長最高経営責任者（CEO）に就く。南方氏は記者会見で「ヘルスサイエンス事業の成長に強い使命感を抱いている」と抱負を述べた。南方氏はビール生産部門でキャリアをスタートし、主力ビール「一番搾り」開発時の製造工程の設計にも携わった。その後はミャンマーの合弁会社の社長、子会社の協和発酵バイオの社長などを経て、2022年からキリンHDのヘルスサイエンス事業本部長を務めている。「三現主義」をモットーとする南方氏は「現場を重視した経営スタイルが自分の強みだ。従業員やステークホルダーとの対話を深めながら成果の創出にこだわっていきたい」と話した。
キリンはヘルスサイエンス事業に注力する。「まずブラックモアズとの協業を通じたアジア太平洋地域における成長戦略を確実に成し遂げる」とし、シナジー（相乗効果）創出に意欲を示した。免疫機能の維持をうたう独自素材のプラズマ乳酸菌も食品・飲料メーカーなどに供給し、「さらに成長させる」と語った。社長交代に合わせてCEOとCOOの職を設けた。磯崎氏がCEOとしてグループ全体を見渡した経営を推進し、南方氏がCOOとしてグループの事業を統括・指揮する。磯崎氏は「複雑な時代なので、似た者同士ではなく違うのが大事だ」と強調した。 磯崎氏は15年3月に社長に就任した。当時のキリンは業績が低迷しており、低収益なブラジルや豪州の事業売却など構造改革を進めた。国内ビール事業を立て直すとともに、海外のクラフトビールメーカーも相次ぎ買収した。
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