カザフのウクライナ支援、市民に人気 露はピリピリ 支援プロジェクトは「不屈のユルタ」と呼ばれ、1月14日のオープン当日は600人ほどが訪れたという
ロシアが侵攻したウクライナで、カザフスタンの実業家による民衆支援のプロジェクトが人気を呼んでいる。中央アジアの遊牧民の伝統的な住居「ユルタ」を設け、侵攻で疲れた市民に暖かい室内でくつろいでもらおうという趣旨だ。カザフは侵攻後のロシアと距離を置いており、支援は両国における現在の疎遠な関係を象徴している。(キーウ 佐藤貴生)
1月末の午後、ウクライナの首都キーウ(キエフ)中心部の公園内にできたユルタの中で、15人ほどの周辺住民が椅子に腰かけ、のんびりと過ごしていた。氷点下の寒さのなか、暖房が効いた室内では携帯電話の充電ができ、コーヒーや紅茶も飲める。すべて無料だ。支援プロジェクトは「不屈のユルタ」と呼ばれ、1月14日のオープン当日は600人ほどが訪れたという。キーウのほか北東部ハリコフや西部リビウなどにも順次設営中で、全部で6カ所になる予定だ。米政府系放送「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」は1月中旬、この支援プロジェクトについて、露政府がカザフ政府に公式な説明を求めたと報じた。カザフ外務省当局者は同放送の取材に、「ユルタの何が問題なのか。支援の手が差し伸べられたということ。何も問題はないと考えている」と話したという。
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