「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ1-7阪神タイガース」(5日、京セラドーム大阪) 第7戦までもつれ込んだ、まさに死闘。最後に笑うことはできなかった。オリックスは阪神に屈し、2年連続の日本一には届かず。中嶋聡監督は目に...
第1戦。絶対的エースの山本が崩れ、黒星発進となった。予想外の幕開け。それでも、まだ1敗。焦りは全く感じさせなかった。そこから連勝、連敗で2勝3敗。第6戦は王手をかけられながら、信じて送り出した山本が、完投勝利で答えてくれた。
最終決戦。試合前には「さぁ、今年最後の試合やで。全員で一球に集中するぞ。ワイワイいくぞ!」と声を張った。束になって阪神に立ち向かった。宮城は五回途中でKOも、宇田川や山崎颯はリベンジに成功した。頓宮も九回にアーチをかけた。最後の最後まで、諦めない。王者の意地は見せた。敗戦後には右翼席にあいさつへ。敗れたが、万雷の拍手が降り注がれる。よくやった-。そんな思いが込められ、誰も責める人はいなかった。 チームに求めたのは野球を楽しむこと。山崎颯や宇田川らは、緊迫の頂上決戦を「お祭り」と表現した。杉本は左足首を負傷、頓宮は左足甲の骨折…。痛みと戦いながらでも、試合に出たい。時には我慢させることもあったが「最後になるかもしれない。悔いを残すなということでいってますけどね」と送り出した。チーム一丸で戦い抜いた。
20年のシーズン途中から監督に就任。コロナ禍での無観客試合も経験した。59年ぶりの関西シリーズ。「声援というのは本当にすごいっすよね。勇気が出ますね」。日常が戻り、応援が背中を押してくれる。本拠地でも、完全アウェーの甲子園であっても、黄色の大合唱に負けじと声援を響かせてくれた。ファンの思いが奮い立たせてくれた。
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