イソップの連作フレグランス「アザートピアス」の最新作「オラノン」の調香師が語る、“香りの楽しみ方”とは?|Pen Online

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調香師のバーナベ・フィリオン。2023年9月にフィナーレを迎えた、イソップの連作フレグランスシリーズ「アザートピアス」。何冊にもわたる長い小説のように、新作を21年から順次発表してきた全6型のコレクシ...

2023年9月にフィナーレを迎えた、イソップの連作フレグランスシリーズ「アザートピアス」。何冊にもわたる長い小説のように、新作を21年から順次発表してきた全6型のコレクションだ。このうちいずれかをシュッとスプレーすると、さまざまな光景が目に浮かぶ。たとえば、ふらりと浜辺や港を訪れた時。海(潮)、砂、コンクリートが入り混じった匂いに包まれ、日常生活から切り離された不思議な気分になる。

現実でありながら非現実でもある世界が、同シリーズの瓶に詰まっている。香りの傾向は重厚で辛味があり、甘さや華やかさは控えめ。アザートピアスの名称についてイソップは、「此処ではないどこか」と説明する。この曖昧な言葉が示すものはなにか、どのように楽しめばいいか、そんな疑問をクリアにすべく調香したバーナベ・フィリオンに単独インタビューした。彼は最終章を飾る最新作「オラノン」についても、ユニークな見解を披露している。「6年前、哲学者の友人と『リミナル・スペース』の概念について議論したことがきっかけです」。フィリオンは出発点をこのように語る。リミナル・スペースとは、たとえば誰もいないのに気配を感じる空間のこと。がらんとした無人のコンサートホール、夜の暗い室内を映すホラー映画のワンシーンなどがわかりやすい例だろうか。フィリオンは言葉の意味について、「物理的にはある空間にいるけれども、ともすれば精神は別の空間にいるような状態のこと」と解説。イソップのクリエイティブチームとの話し合いのなかで、「香りそのものが狭間のような空間であり、詩的な風景の中に投影することができるという考えに至った」という。

イソップが人間と自然との関係性を探るブランドであることから、アザートピアスも同様のコンセプトで進行。「このような発見の手掛かりになるフレグランスになれるように」。SF映画でよく描かれるパラレルワールドは、同じ時間軸で進行している別世界(別次元)だが(理論物理学では成り立つ概念らしい)、フィリオンが思い描いたのは過去と現在、現実と非現実といったさまざまな並行空間。アザートピアスの存在意義は、「感覚を刺激し、私たちが暮らす世界の向こうに広がる異世界を呼び起こすもの」アート作品のごとくコンセプチュアルなフレグランスである。ただしフレグランスは最終的に、纏う人の一部になる存在。フィリオンは使う人にどのような喜びを与えたいのだろうか。彼の答えは次の通りだ。「イソップのフレグランスは、従来の香りの概念や他者に対する役割を否定するもの。香りは自分自身が喜びを感じるために纏われるべきと考えています。特定のジェンダーも意識していません。目に映るものをただありのままに見るだけでなく、さまざまな捉え方をしていただくことを願っています。このプロジェクトの狙いは、香りを纏う人に自由を感じてもらうこと、そして感受

フィリオンは12年以降のイソップのフレグランスのうち「タシット」を除くすべてを手がけてきた調香師。彼が語るイソップ論には説得力がある。イソップのすべてを知るためには、感性に加え知性も必要なようだ。さらに、周囲の雑音に左右されない独立した個人としての生き方も。「アンバリーで豊かな雰囲気をもつ伝統的なフレグランスを好む方に、魅力的に感じられるのではないかと思います。私はオラノンを身につけると、果てしない砂漠の中に消えていくような、塵になってしまいそうな、なにか大きなものに吸い込まれる感覚を覚えます。とてもとても大きい、無限性に対する感動にも似た感覚があり、しかし同時に消滅していくようでもあります。アザートピアスを製作する過程で、オラノンはシリーズの時系列上最後に来るものと感じました。オラノンは人生で出合うさまざまな場所や出来事の背後に連なる、いろいろな時代、地理的情景の広がりを訴えかけます。少し自分自身の外に出てみること、手放すこと、そして生命の循環を表現した『終焉』です」

アザートピアス全6型の「ミラセッティ」「カースト」「エレミア」「イーディシス」「グローム」「オラノン」は単体販売で、箱や瓶に「Othertopias」の名も書かれていない。購入する人がコンセプトを知るかどうかはその人次第だ。これまでの「マラケッシュ インテンス」「タシット」「ヒュイル」「ローズ」と比べ、香りのレイヤーが大幅に増え、“いい香り”の通念にも束縛されない次世代フレグランス。フィリオンが口にした「自由」は、使って初めて気づく目覚めなのかもしれない。

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