アップルのMRヘッドセット「Vision Pro」を購入したアーリーアダプターの一部から、デバイスの重さや装着感に対する不満の声があがっている。次世代以降のバージョンでつけ心地を改善できる点について、ハードウェアの専門家たちに訊いた。
アップルの複合現実（MR）ヘッドセット「Apple Vision Pro」が2月上旬に発売され、熱心なファンが製品を顔に装着し始めてから2週間以上が経った。そして、この製品に対する不満も出るようになってきた。 ウェブメディア「The Verge」などのサイトが報じているように、アップルが定める新規購入製品の標準的な返品期間である14日間が過ぎる前に、一部の顧客は「Vision Pro」を返品しているのだ。ヘッドセットの所有者の一部は、デバイスの重さに関する不満をSNSに投稿している。これには長時間装着すると不快感が増すという主張や、ヘッドセットが原因で目の血管が破れたという奇妙な訴えもある。 アップルは製品の見た目と使い心地に手を抜く会社ではないし、Vision Proは特徴的な美しい見た目をしている。とはいえ、残念ながら、ヘッドセットに使われている高級な素材（主にアルミニウムのフレームとガラス製の光学部品）は、競合するMRヘッドセットに使用されているプラスチックなどの軽量素材と比較するとずっと重い。...
Proは批判をいくらか受ける定めだったと、調査会社IDCのリサーチマネージャーであるジテシュ・ウブラニは話す。なぜなら、Vision Proは一般的な消費者向けにつくられたものではなく、開発者キットとしてつくられたものだからである。 「アップルはこうした批判が一部起きることを予期しており、副作用として受け入れるつもりだったのではないでしょうか」とウブラニは話す。「いまのアップルは、開発者に使ってもらおうと思っているのです」 アップルの目的は最善を尽くし、Vision Proの見た目と性能をできるだけよいものにすることだったと、ウブラニは話す。そのために着け心地を犠牲にしたとしても、製品を実際に着用する人の少なさを考えると、許容範囲内だったと考えられるのだ。 有線でつながったバッテリーパック、重量があること、3,500ドル（約52万円）という法外な価格。これらはどれも、Vision Proが一般消費者向けの製品ではないことを示している。Vision...
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