国内の乗用車部門をクローズしてから20年以上がたったいすゞ自動車。その歴史を振り返ると、一世を風靡(ふうび)した名車の名前が浮かんでくる。今回の2代目「ジェミニ」も、多くの人に愛された、そんな一台である。2代目「ジェミニ」について、沼田亨が熱く語る。
「街の遊撃手」というキャッチコピーを巧みに映像化した、数台のジェミニがワルツに乗ってパリの街を縦横無尽に駆け抜け舞い踊るテレビCM(すべてスタントチームによる実写だった)で、50代以上の人間には記憶されているだろうモデル、それが1985年に登場した2代目「いすゞ・ジェミニ」(当初の名称は「FFジェミニ」)である。
翌1986年、兄貴分の「アスカ」やピアッツァに続いて、いすゞと同じくGM傘下にあったオペルのチューナーだったドイツのイルムシャー社が手を入れた、ハイパフォーマンス仕様の「ジェミニ イルムシャー」が追加設定された。パワーユニットはインタークーラー付きターボを加えて、標準の最高出力86PSから同120PSにまでスープアップされた1.5リッター直4 SOHC。私はこのイルムシャーの、「ゲールウインドブルー」というカラーネームの濃紺をまとった4ドアセダンを発表と同時に注文し購入した。生まれて初めての新車だった。 スペック的には見劣りするが、高回転をキープして峠を攻める……なんてこともなく、渋滞の多い市街地で乗る機会も多い私にとっては、乗りやすくて力も十分なターボユニットのほうが向いていたわけだ。また、当時のターボ車にしては燃費が良好(たしかリッターあたり12kmぐらいは走った)だったこともありがたかった。
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