将棋で史上初の8大タイトル独占を果たした藤井聡太竜王(21=名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第36期竜...
対局会場となる北九州市「旧安川邸」で前日検分した藤井聡太竜王(右)と伊藤匠七段(撮影・松浦隆司)将棋で史上初の8大タイトル独占を果たした藤井聡太竜王(21=名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第36期竜王戦7番勝負第3局が25、26日に福岡県北九州市「旧安川邸」で行われる。藤井が開幕3連勝で全8冠制覇後、初の防衛に王手をかけるか。タイトル戦初挑戦となる伊藤が一矢を報いるか。シリーズの流れを大きく左右する一戦となる。マイクを握ると、「みなさん、こんにちは」といつもより声を高めにあいさつ。「こんにちは」の大きな声が返ってくると、「ちょっと、みんなの前なので、緊張しています」と少しだけ声をうわずらせた。
それでも「藤井先生」は小学校時代を振り返り「将棋という好きなことに出会い、一生懸命取り組んでいったことが今につながっているのかなと思う」と語りかけ、「学校生活、それ以外のことでも興味のあること見つけたら、追究する気持ちを大切にしてほしい」とアドバイスした。若き8冠王の経験に基づいた言葉を生徒たちは聞き入った。北九州のソウルフード「焼きうどん」を熱望していたが、前夜祭では記念品として焼きうどんが入った「北九州グルメセット」を贈呈された。約300人のファンらの前で「長い2日間の対局を集中して、いい内容の将棋にしたい」と意気込んだ。 福岡県を訪れるのは初めてという伊藤は第3局の「勝負めし」のメニューブックを手にし、「普段、食事で悩むことはないが、長考しました」と明かし、「苦しいシリーズになっているが、この2局で藤井さんに教えてもらったことは大きい。気持ちを切り替えていきたい」と決意を語った。【松浦隆司】