あれは2004年8月だったから、いまから20年前のことになる。 大分トリニータU-18にフリーキックをガンガン決めてい…
「その日、ナラさんが引退を表明したんです。ナラさんと能活さんは子どものころからの憧れで、日本代表に選ばれるようになって、ふたりと一緒に練習できることが夢のようで。ライバルというより、ファン目線で見ていました。
今でもふたりは憧れの存在なので、なんとか近づきたいし、超えたい。ナラさんの少し前に能活さんも引退されて、ナラさんが42歳、能活さんが43歳でした。その年齢やその記録に向けて、自分はまだまだやりたいなって強く意識するようになったんです」「ナラさんの言うとおりで、『日本のGKと言ったら？』という質問に対して、子どもたちが『西川！』って挙げてくれるような存在になりたいですね」攻撃の組み立てにも加われる唯一無二のプレースタイルと、どんなピンチに陥っても絶やさぬ笑顔で、すでに日本のサッカーファンの記憶に残るGKとなっているが、それ以上のインパクトを残すには、結果が重要だと西川は考えている。岡崎慎司が引退を表明し、1986年生まれの同級生がひとり、またひとりとスパイクを脱いでいく。だが、西川の頭の中に「引退」の二文字が浮かぶことはない。
「この前の川崎フロンターレ戦のあとにアキと話したら、『俺はもうキツイよ』って言うから、『そんなこと言うなよ。もうちょっと頑張ろうよ』って。佑都や慎三が頑張っているのは心強いですね」ピッチに飛び出した瞬間の「ニシカワ！」の大声援に背中を押され、その幸せを噛みしめながら、一戦一戦、闘うつもりだ。J1リーグ通算無失点試合数の日本記録を更新しつつ、多くのファンの記憶に残るGKを目指して――。
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