今週はいよいよ牝馬クラシック第1戦、第84回桜花賞(7日、阪神・芝1600メートル)。最優秀2歳牝馬のアスコリピチェーノはデビュー3連勝で制した阪神JFから直行し、史上9頭目となる無敗での桜の女王を
目指す。阪神JFの2着ステレンボッシュ、3着コラソンビートまでいずれも関東馬。3頭は早くも栗東トレセン入りし、万全の調整を続けている。「早い時期から活躍できると思っていた」。黒岩調教師の見立て通りに、6月に新馬戦を勝ち上がると、2か月後の新潟2歳Sで重賞タイトルを獲得。そこから直行で挑んだ阪神JFでも3戦連続で上がり33秒台の末脚を発揮し、2歳女王の座を射止めた。「長くいい脚を使うフィジカル面とタフな精神力」が強みだ。今では多くの陣営が取り入れる栗東滞在。レース直前に長距離輸送がなく、直前の調教を控える必要がないことを挙げた上で、今回は「早い段階から環境に慣れて落ち着きがある」と2回目だからこそ、得られた効果を感じ取る。
「G1を取れる馬は、ここまで踏み込んだトレーニングをしても大丈夫という素晴らしい経験」をしたという黒岩師。前走時の栗東・CWコースでの追い切りは、最終も含めて3回。この中間は3月20、24、27日に6ハロン82秒台をマークし、既にCWコースで4回の時計を出している。調教の強度を上げても、へこたれる様子はなく「3歳になっても成長できている」と評価する。 父はスピードタイプのダイワメジャー。阪神JFと同じ舞台で行われる桜花賞に懸ける指揮官の思いは当然強い。「マイルはすごく上手に走れるし、阪神1600メートルは力を発揮しやすい舞台。ここはしっかり取りたいと思っている」。再び先頭でゴールを駆け抜けた時、歴代の名牝に肩を並べることになる。(浅子 祐貴)
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