「スポーツ報知」でさえも「優勝」を言わなくなった―。先日の本紙連載コラムで糸井重里さんが指摘しておりましたが、恥ずかしながらその通りです。
Ｖ逸シーズンの情けない風物詩。だって、そうでしょう。「まだまだ最後まで諦めるな」と、あおり報道しておきながら素知らぬ顔でモードチェンジ。「冷やし中華」をメニューから外すように「優勝」の二文字を封印するんだから。個人的にさびしかったのは「メーク何チャラ」の出番がなかったこと。優勝が難しくなると、このフレーズを乱用していたけど、今季は使うタイミングさえなかった。「メーク・死んだふり」とか「メーク・巨人は二度死ぬ」とか考えていたのに。まあ、恥の上塗りをしないで済みました…という問題じゃないだろ。
そんなわけでＡＲＥよＡＲＥよの２時間６分。巨人の優勝が完全消滅した。この期に及んで嘆き悲しんではいません。むしろスッキリした。長くて切ない生殺しの時間が、ようやく終わったんだ。原監督の言う通り、ここは開き直って暴れましょうよ。西勇が良過ぎた。それは事実。だけど阪神はワンチャンスを生かして得点に結びつけている。２回のノイジー。一塁から内野安打で三塁を陥れるとは。対照的に９回２死で盗塁失敗の重信。走力以前に「足の勝負強さ」が違うのか。 それでも救いはある。８回の新三遊間コンビ。アベック美技に癒やされた。糸井さんも言ってたけど「門脇誠ファンクラブ」ができたら入りたい。そうか、巨人が諦めたのはリーグ優勝だけなんだな。まだ「逆転ＣＳ」と、そこから続く道はある。心を強く持って戦おう。「メーク・ストロング」の精神で…って結局は今年もそれかよ。
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