世界ランク１３位の日本代表は１２位のサモア代表に２８―２２で競り勝ち、２勝１敗とした。前半１３分にフランカーのピーター・ラブスカフニ（東京ベイ）が先制トライを決めると、リーチ・マイケル（ＢＬ東京）、
ＮＯ８姫野和樹（トヨタ）とＦＷ第３列がトライと活躍。終盤は１人少ない相手に詰め寄られたが、逃げ切りに成功した。日本は２大会連続の１次リーグ突破をかけ、最終戦（日本時間１０月８日午後８時）でアルゼンチンと対戦する。元日本代表ＳＨの田中史朗（東葛）が、「桜戦記」でサモア戦を振り返った。今大会初めて現地で観戦しました。日本のファンの方が大勢来てくれていたのはもちろん、日本のジャージーを着た海外の方がたくさんいたのはうれしかったですね。１５、１９年はそこまで多くなかったので。そこが１番うれしいことでした。ＳＨで先発予定の流大選手（東京ＳＧ）が負傷して、急きょ先発した斎藤直人選手（東京ＳＧ）のパフォーマンスは何の問題もありませんでした。初めてのＷ杯、初めての先発で緊張などはあったと思いますが、表情からは感じませんでした。元々、運動能力が高く、自分のラグビーを知っている選手。特に持ち味のディフェンスは、相手の芯に入れていたのでとても良かったです。アタックのキックでは、いい時は相手にプレッシャーがかけられていましたが、少し長くなると相手にマークされたり、ボールを渡すだけになりピンチを招いたものもあっ
アタックは松田力也選手（埼玉）を中心にバックスがうまくスペースにボールを運べていて、期待がもてる攻撃ができていました。ＦＢレメキ・ロマノラヴァ選手（東葛）もキャリー（ボールを持って走った距離）で１位の１３６メートルを稼ぐ素晴らしい活躍でした。同じチームで昨季一緒にプレーして、リーダーになって引っ張る立場になり、人としての成長を感じていました。常に周りのことを気にしながら大人になった印象ですね。全てが成長しています。 試合のラスト２０分は、チーム全体のパフォーマンスが落ちてしまいました。前半はしっかり止められていたのに後半２０分以降はディフェンスで相手に食い込まれる場面が増えてしまいサモアにオフロードパスでつながれる場面が何度もありました。
１５年大会の対戦時を思い出しました。あの時も（４トライ以上で与えられる）ボーナスポイント（ＢＰ）の１点よりも、まず勝つことが優先でした。結果、ＢＰを取れずに３勝したけれど８強には行けなかった。今回も３トライした後、２２―８の後半１６分、２５―１５の後半３５分にＰＧを狙いにいきました。トライを狙わずＰＧで点差を広げる作戦で、あそこで得点が取れなかったら負けていたので結果的には良かったと思います。ただ、トライが取れるべきところで取れなかったのでサモアのモチベーションが下がらず苦戦する要因となりました。 試合途中で勝ちが見えてきて、選手それぞれが違うラグビーをしだした感じがしました。やることを変えたり、気が緩む部分がどうしてもある。やることは変えずに８０分間継続してハードワークするという強いマインドをもってアルゼンチンとの大一番に向けていい準備をしてもらいたいと思います。（１１、１５、１９年Ｗ杯日本代表）
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