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柏木が、ついにグループを巣立つ決断をした。ブレーク前からグループの中心的存在として活躍してきたが、第1回と第2回の選抜総選挙での順位が1〜7位で顔触れが変わらなかったことから名付けられるようになった“元祖神7（前田敦子、大島優子、篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜、板野友美）”ではなかった（柏木は第1回9位、第2回8位）。メディア出演など、7人で区切られることもあったといい、そんなあと1歩届かなかった悔しさをバネに、はい上がってきた存在でもある。
デビュー前から大のアイドル好きで、“ハロプロオタク”。ファン目線も生かしたパフォーマンスやファン対応を武器にしたグループでの活動だけでなく、「ひるおび」ではお天気コーナーをレギュラーで担当すれば、役者としても大河ドラマに出演、最近ではYouTubeにコスメ…。根底にあるのは「求めてくれる人が1人でもいる限りやる」という思いと、「その時その時がいつも一番いいと思っているんです。その『今が一番いい』をこれからも更新し続けたい」というポジティブな思いだ。 結果的に、30歳を超えてもアイドルグループの一員として第一線を走ってきた要因がここにある。30歳の誕生日を目前にした21年6月に「脊髄髄内腫瘍」摘出手術を行い、初めて約1カ月間休養したこともあったが、その期間さえも「客観的に自分がいないAKB48を見て、早く戻りたいなって思えましたし、AKBの歌とかダンスとか、メンバーを見てすごい元気をもらったんです。『アイドルを見て元気をもらってこういうことなんだ』ということに、AKBに入って初めて実感できたんです（笑い）。改めてそういう人になりたいなって。自分にとっては必要な期間だったと思います」ととらえていた。
先輩、後輩が次々とグループを卒業し、一回り以上離れたメンバーと活動することも多くなった。30歳を過ぎてもなおグループに在籍する柏木に「早く辞めろ」と心ない声が寄せられることもあったという。それでも最近では「3周ぐらい回って、みんなが卒業して行くにつれて、あまりにも周りがいなくなるから、1人くらいいてもいいんじゃないかという感じになってるんですよ」。いっそのこと、結婚、出産してもグループにいるのもおもしろいのでは？ と振ってみると「その前例は作っちゃダメです！」と即答するのも、この日の卒業発表をコンサートの最終盤にはせず、明るい楽曲で笑顔で締めくくるようにしたのも、また柏木らしい。 「先の目標を考えるのが苦手」と常々話しているが、ソロ歌手としての活動も充実させてきた柏木は、かねて「アイドルアーティスト」としての将来について語ったこともあった。「目の前に私の歌を聞きたいとか、見ていて応援したいと思ってくれる人がいる限り、やりたいなと思っています。結局何でもできる人になりたいんですよね。人がやってこなかったことを楽しくチャレンジしていきたいと思うし、それを見て元気になってくれたらいいなというのが理想です」。
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