世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers 50」のマネジメント書籍部門に選出されたランジェイ・グラティが語る「ディープ・パー…… → 「パーパスウォッシング」にならないために必要なこと
2023年2月、ハーバード・ビジネス・スクールのランジェイ・グラティ教授が『DEEP PURPOSE 傑出する企業、その心と魂』(東洋館出版社、山形浩生訳)を上梓した。原著は米フォーブス誌の「2022年ビジネス書トップ10」に選ばれるなど、注目度が高い。「ディープ・パーパス」とは何か。同教授に話を聞いた。そもそもパーパスは、「人生の『目的』」など、個人のものとして研究されたのが始まりだ。スタンフォード大学の心理学者、ウィリアム・デーモンによると、パーパスは「何かを実現しようという意図であり、自己にとって意味をもつと同時に、自己を超越した世界にも影響をもつもの」だという。
一方、企業のパーパス(存在意義)や、その一段上を行く「ディープ・パーパス」には、社是などを超えた、もっと大きな意味がある。利益を上げつつ問題を解決する──そのためのアイデアを統合したものがパーパスだ。つまり、具体的な目標と理想主義的な義務感が内包されている。例えば、ソニーが戦後、売り上げ増を目指しながら、(安物で低品質だという)日本製品に対する世界の認識を変えようとしたことが好例だ。──ステークホルダーに害を及ぼす製品・サービスを売る企業が掲げる理想主義的なパーパスを「都合のいいパーパス」と言うそうですね。 「都合のいいパーパス」の変種といえるものが「偽装としてのパーパス」だ。米エンロンなど、パーパスで利己的な行いを隠す企業だ。環境への配慮を装う「グリーンウォッシング」ならぬ、「パーパスウォッシング」といえる。
「周縁部でのパーパス」という変種もある。例えば、たばこメーカーは慈善活動の傍ら、たばこを売り、消費者の健康に害を及ぼす。中核事業を据え置き、パーパスに基づく企業の社会的責任(CSR)で善行を施し、パーパスを「2次的なもの」として扱う。中核事業に組み込むべきだ。プロジェクトの「範囲・指向性」も、ディープ・パーパス企業は「商業と社会」両分野にわたるが、都合のいいパーパス企業は「商業」のみ。パーパスの「強度」も、前者は「組織原理」に強固に投影されているが、後者は、広報活動さながらに「戦術的応用」どまりだ。
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