伝統産業の代表格ともいえる海苔製造の世界で、チャレンジを続ける企業がある。創業130年を誇る老舗の小善本店が推進する、大胆なデジタル化戦略とは。
小善本店は1894年創業の海苔製造販売会社だ。長い歴史の中で培った品質と信頼で、国内外に確固たる地位を築いてきた。しかし、2019年を境に社内の様子が一変する。「IT化とともに、若い人に受け入れられるようにしたかった」と、常務執行役員で社長室管理本部長、BtoC事業本部長、そしてITシステム部長を兼任する小林祐介氏は当時を振り返る。だ。来訪者は口をそろえて「どこのスタートアップですか?」と驚くという。伝統と革新、アナログとデジタル。相反するものが融合する小善本店のオフィスに、同社の変革への意気込みが表れている。しかし、なぜ130年もの歴史を持つ企業が、突如としてデジタル化に舵を切ったのか。そして、「取りあえず、やってみれば」という姿勢は、どのような成果をもたらしたのか。老舗企業の大胆な挑戦の裏には、何があったのか。小善本店のデジタル化への道のりは、多くの企業と同様、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけだった。しかし、同社の変革はそれ以前からひそかに進行していた。
小林氏は5年前、情報系の大学を卒業後、大手金融機関で営業やIT企画の経験を積み、家業である小善本店に入社した。「IT化できていないという課題は認識していました」と小林氏は当時を振り返る。しかし、130年の歴史を持つ企業の体質を変えることは容易ではない。そこで小林氏が取った作戦が「取りあえず、やってみる」だった。しかし、デジタル化への障壁はそう簡単には崩れなかった。「年齢が高い人がネックになるのでは」と小林氏は危惧していた。ところが予想外の援軍が現れる。それは、テレビだった。 「テレビでDXの必要性が盛んに報道されるようになったんです」と小林氏は笑う。「高齢の社員こそテレビをよく見ている。それが功を奏しました」。皮肉にも、既存の媒体であるテレビが、デジタル化への抵抗を和らげる役割を果たしたわけだ。
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