アップルは最先端の新機能を「iPhone」の「Pro」モデルに最初に搭載した後、一定期間を経て、標準のモデルにも搭載することがよくある。そこで、本記事では、発表されたばかりの「iPhone 15 Pro」の新機能に基づいて、iPhoneの未来を予想する。
「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15 Pro Max」は、新しいチタニウムデザインを備え、多くのデバイスで採用されている充電と高速データ転送の規格であるUSB Type-C(USB-C)ポート、より強力なプロセッサー、そして、ショートカットにアクセスできる新しいボタンを搭載している。Pro Maxの5倍光学ズームなど、カメラのアップグレードも確かにあるが、米国時間9月12日にAppleが開催したイベントで主役となったのは、前述の変更点だったようだ。これは意義深い。Appleの「iPhone Pro」モデルの主要なターゲットがもはやカメラ愛好家だけではないことを示唆しているからだ。
iPhone 15 Proに関するAppleの決定は、iPhoneの未来についての手がかりになるかもしれない重要な点だ。「iPhone16」以降のモデルで搭載されるであろう機能を予想するヒントになる可能性もある。過去にiPhoneの最上位モデルで最初に登場した一部の機能(「Face ID」、そして今ではDynamic Islandも)は、後に標準モデルでも採用されている。「Pro」の機能を標準モデルにも搭載してきた歴史価格の高さを考えれば当然のことだが、iPhoneのProモデルには、標準モデルでは利用できない追加機能が搭載されている。例えば、より滑らかなリフレッシュレート、画面がオフのときでも時刻などの情報を表示できるディスプレイ、望遠レンズ、より高級な素材を採用したデザインなどだ。しかし、一部の要素は一定の期間を経て低価格のモデルにも搭載されてきた。
Appleはプレミアムスマートフォンの特徴的な要素をその他のデバイスにも標準で搭載してきた。近年で最も顕著な例は「iPhone X」だ。2017年に発売されたiPhone Xは、最低価格が1000ドル(日本では10万円)を超えた最初のiPhoneであり、気軽に購入できる製品ではなかった。しかし、その価格ゆえに多くの変更が施されており、iPhoneの転換点となった。iPhone Xでは、全面ディスプレイが導入され、ホームボタンが廃止された。また、パスコードを入力せずにスマートフォンのロックを解除する新たな手段として、Face IDが登場した。 2022年のiPhone 14 ProでDynamic Islandが導入されたことと、15 Proでアクションボタンなどの新機能が搭載されたことから分かるのは、iPhone Proがもはや単なるハイエンドカメラ搭載スマートフォンではないということだ。カスタムショートカットで自分のデバイスをパーソナライズする新しい方法を切望し、ほかのデバイスとは明らかに異なる外観と使用感を求める、いわゆる「パワーユーザー」向けのデバイスにもなっている。例えば、アクションボタンを使用すると、カメラに素早くアクセスしたり、音声メモを録音したり、懐中電灯をオンにしたりすることが可能だ。